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便り7.親が気づかないと解決しないこと

1.見えているのに見えないこと

「小児科って大変でしょう。小さな子どもはどこが痛いとも言わないし、診察でも泣くばっかりで・・」確かにその通りです。乳幼児では自分の症状をきちんと訴えることはできません。でも、身体を触った時の顔つきや泣き方の変化で、痛い場所を見つけ出すことができます。身体の症状と同様、子どもは自分の気持ちや立場を言葉でうまく説明できない上に、心の不安定な状態を処理する能力も未熟です。そこで、嫌だとかつらいとかいう気持ちを身体や行動で表現することが多くなります。

「妹ができたら急に言うことを聞かなくなって・・これまでは素直ないい子だったんです」「自分の手をハサミや鉛筆でわざと傷つけているようなんですけど」「やたらベタベタと甘えるようになってしまって・・どうしたんでしょうか」「最近なんだか怒りっぽくなったように思うんですけど」「元気そうに見えるのに、毎日のようにお腹や頭が痛いと言うんですが」本シリーズの1回目にも書いたように、最近の小児科外来では家族のこうした訴えをよく耳にします。どれも子どもの心がピンチに陥っているサインで、しかもかなり切羽詰まった状況のものもあります。こういう場合、僕たち大人は「お兄ちゃんなんだから我慢しなさい」「もっと気持ちをしっかり持って」「いつまでも甘えないの」「がんばれ」と叱ったり激励したりするのが常ですが、たいてい状況は悪くなる一方ではないでしょうか。いずれも子どもが身体や行動で表現している心のSOS、いわゆるストレスサインなのですが、大人がそのサインを見ていない、あるいは見てはいるのに子どもの心の問題としては見えていないことが多いのです。


2.唯一の解決法は「親が気づくこと」

考えてみてください。弟や妹ができたら、急に不安になったりさびしく感じるのは当然です。子どもなりに努力してきたのに、どうしようもなくなったからこそ自分を傷つけたり感情的になったりするのです。気にするな、しっかりしろと言われても、もう頑張りきれなくて頭痛や腹痛などの症状が出ているのです。そんな時に叱ったり怒鳴ったりしても何の解決にもなりません。むしろ子どもにすれば、大好きなお母さんや信頼しているお父さんの感情的なこわい顔を見るだけで、大きな衝撃を受けることになります。「しっかり」「がんばれ」と繰り返し言われても戸惑うだけです。自分の気持ちを分かって欲しいという願いや、どうしていいか分からない不安だけが大きくなってしまいます。子どもが無意識にストレスサインを出しているのにもかかわらず、大人にそれを受け取るアンテナが不足しているのです。もちろん、頭痛や腹痛が単に身体的な病気の症状ということも多いのですが・・。

子どもの心を感じ取る以前に、親はとかく子どもの仕草や言動、成績など、目に見えるもので判断してしまいがちです。しかし、子どもとのつき合いにおいては、目に見えるものよりも見えないもの、現実の行動の内容や結果よりも行動に隠されている気持ちや理由を考えることによって、子どもの心に気づいてあげることが大切です。子どものサインや行動の理由が少しでも見えたら、どうすることが一番いいのかがおのずとわかります。親が子どもの心の叫びや訴えに気づき、その気持ちや立場を理解しようと努力をすること、これが唯一の解決法です。親が気づけば、道は自然に開けていきます。

でも、ストレスがいつも悪いわけではありません。むしろ、適度なストレスは子どもが成長していくためには必要なものであると言えます。最近は、親が先回りしてストレスの根源を摘み取ってしまうために、ストレス解消能力の乏しい子どもを創り出しているという事実もあります。長い目で見た子育てを心掛けたいものです。最後にもう一つ、ストレスの大きさはその人がどういう考え方をするかでずいぶん変わってきます。たとえば面倒なことや手間がかかることをやらないといけない時、「大変だなあ」「嫌だなあ」と考えるか、「何とかなるかな」「少しでも楽しみを見つけ出すぞ」と思えるかによって、ストレスは大きくも小さくもなります。子どもというものは親の考え方に似てくるものです。身近な大人が良い手本を示してあげましょう。

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