香川県高松市の小児科・アレルギー科・小児循環器内科 医療法人社団裕心会 あきた小児科クリニック

医療法人社団裕心会 あきた小児科クリニック 小児科・アレルギー科・小児循環器内科

プライバシーポリシー

心臓病の子ども達と共に

ホーム >> 医療現場からの子育て便り >> 便り3.「『べき・ねば』育児にサヨウナラ」

便り3.「『べき・ねば』育児にサヨウナラ」

1.よくある相談

「うちの子、まだ歯が生えてこないんですけど、大丈夫でしょうか?」生後9ヶ月になる女の子のお母さんが心配そうに尋ねました。育児書などには歯が生えるのは8ヶ月ぐらいと書いてありますから不安になったのでしょう。「歯の生える時期は個人差がとても大きいので心配ないですよ」

「ハイハイもできないのに、いきなりつかまり立ちをし始めたのは変じゃないでしょうか。どの本にも寝返り、お座り、ハイハイ、つかまり立ちの順にできるようになるって書いてますよね」確かに僕たちも大学の授業ではそう教えられました。でも現実の育児では、育児書やマニュアル通りにいかないことは本当によくあります。


2.『べき・ねば』育児のお母さん

育児書や家庭医学書には「〜するべきです」「〜ねばなりません」「〜してはいけません」といった記載が多いようです。こういった知識を参考にして自分の育児に生かしていただければいいのですが、本に書いてある通りにいかないと不安や心配にかられてしまうご両親が多くいらっしゃいます。『べき・ねば』育児に振り回されて、自分たちの育児を楽しめないのはたいへん残念なことです。

僕たち小児科医の仕事は、こうしたお母さんやお父さんの不安や心配を軽くさせてあげる部分が大きいように思います。病気の診察とは別に、「そんなこともありますよ」「心配ありませんよ」「大丈夫ですよ」といった言葉掛けの方が必要なご家族によく出会います。しかし、この「『べき・ねば』育児にサヨウナラ」は、乳幼児期だけでなく学童期や思春期の子どもにとっても大切なことです。


3.『べき・ねば』思考年代の子どもたち

「左右の眉毛の形が少し違う」と悩んで人前に出られなくなった女の子、「希望校に行けなかったから僕の人生は終わりだ」と自殺企図した中学生。そんな彼らには「苦しんでたんだね」「つらかったな」と共感の言葉や姿勢で寄り添いながら、僕自身の人生におけるマイナス体験を語るようにしています。

振り返ってみると、思春期ほど「〜するべきだ」「〜ねばだめだ」と考え込む年代はないと思うのです。もちろん「絶対に〜するんだ」「〜しなくちゃいけない」という強い思いは多くの場面で必要なものだし、勉強やスポーツに限らず、その思いがあってこそできること、成し遂げられることがたくさんあります。問題は、順調にいかなくなった場合、壁にぶち当たった場合です。そんな時には、思春期の子どもたちが陥りやすい『べき・ねば』思考の迷路から脱出する手掛かりを与えてあげてください。他にも道はいっぱいあること、君の価値はそんなことぐらいで薄れるものではないということ・・・。でも、迷路のど真ん中にいる時には周りのことは見えず、周囲の声も素直に聞けないものですから、頭ごなしの意見や忠告は逆効果です。子どもの考え方や立場をいきなり否定せず、子どもの意見を聞き出したり言葉を引き出すことを焦らずに、まず大人が自分や自分の体験を語ることから始めましょう。

親としても、「私がしっかりしなければ」「完璧な育児をするべき」「理想的な子どもにせねば」と自分や子どもを追い込んでいないか、時には振り返ってみることも大切ですね。

ページトップへ

Copyright © 2009 Akita children's clinic. All rights reserved.