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便り1.「子育ては耳と目が先、口は後」

「ああ、またやっちゃったな」と後悔しながら僕は病院の門をくぐりました。叱りたいことがあっても、子どもたちが学校に出かける前はやめよう、気分良く送り出してやろうと思ってはいるのですが、今日もまた彼らの父親は我慢できずに叱りとばして病院に出かけてしまいました。落ち着いて考えてみると別の叱り方もできただろうし、子どもたちにも言い分はあったはずですが、一方的に親の感情をぶつけてしまった朝でした。「今夜帰ったら、もう一度じっくり話してみよう」しかし、そういう日に限って不思議と重症患児が入院して、しばらく家をあけることになってしまうのです。

最近の小児科はカゼや気管支炎などの一般的な感染症以外に、心の病気や子育ての悩みなど多方面の相談を受ける機会が増えてきました。幼稚園や学校に行く前になると「頭が痛い」「おなかが痛い」「からだがだるい」というような、いわゆる心因性と思われる訴えもよく経験します。集団生活へのストレス、お母さんと離れることへの不安、子どもの特性、親の養育態度などいろいろな要因が考えられます。

そんな子どもたちに多いのは、外来で子どもさんに直接話しかけてもお母さんが代わって答えてしまうということです。小中学生であっても同様です。結局、子どもの発言や行動を待てないわけですね。だぶん自宅でも、ご両親からの「〜しなさい」「〜したの?」といった言葉が毎日飛び交っているのでしょう。それが多ければ多いほど、子どもたちの精神的緊張が高まる上に、自分で考えること、自分を表現することの練習もできません。そしてそのまま成長して、幼稚園や小中学校という集団生活に入っていきます。年齢が上がって年相応に判断せざるをえない状況に出くわした時、自分では対処しきれないため、頭痛や腹痛といった症状として現れてくることがあるわけです。

「今日学校でね・・・」子どもたちがお母さんに何か話そうとしています。「忙しいから後で!」と答えたり、片手間に返事したりしていてはいないでしょうか。子どもたちは自分の親を実によく見ています。家庭内に話せる雰囲気が乏しかったり、日頃からの話し合いが少ないと、イザ困ったことがあっても子どもたちは親に期待しなくなります。ストレスを言葉や甘えで表現させてもらえない子どもたちの心の叫びは、痛みやダルサといった身体の症状として訴えていくしかないのです。

反対に、子どもたちがふだん何気なく言っている言葉や行動にしっかりと耳を傾け、目を向けていれば、子どもたちからの心のSOSサインはきっと見つけられるはずです。そんなお母さんやお父さんにならば、子どもたちも本当に困った時には必ず打ち明けてくれることでしょう。子どものことを待ってあげられるご両親は、『聞き上手』なご両親でもあるのです。親の意見を言ったりあれこれと指示を出したりするのは控えめ控えめ・・・一番後でいいのです。

標題の『子育ては耳と目が先、口は後』は、感情で怒ってしまいやすい僕自身への戒めとしている言葉です。・・・でも、わかっちゃいるけど実行は難しい、それが子育てですよね。

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